ひとりでもたくましく

ひとりで楽しめる日々を!

無償

旅先の予約せずに入ったお店は海の見える落ち着いた和食のお店。

島に住んでるとは思えない、洗練された可愛い女の子たちが笑顔で給仕してくれる。

 

食事の中盤、突然お店の一角でフルート演奏が始まった。

そこには制服のままフルートを吹く先程給仕してくれていた可愛い女の子が。

 

不意にお店いっぱいに心地よく響き渡る演奏。

なにがどういいとか音楽のこと一行も上手く説明できないけど

ワサビを含んだ顔に、時間差で無意識に追加の涙が流れる。

 

人に音楽を演奏して聴かせるってなんて無償の行為なんだろうと。

歌や演奏って何千年前からあったのか知らないけど、

一番最初は人が人の為にしたかったことなんじゃないかな。

お金を払ってさあ聴かせてよのコンサートとは全く違う。

そんな無償の行為ができるもの。

わたしでも何か真似して出来ること、ないかなと考えたら

やっぱり、苦手だけど笑顔なのかも。

人が人の為にしたくてするものだから。

 

秋の海

会社をサボって海を見にいく。

ベタな行動パターンで恥ずかしいんだけど、

海を見たくなる心象風景は

もしかして皆んな同じなのかな。

同じだったら嬉しい。

 

ぐるぐる回り続けている思考が止まる。

眼前に広がる海のサイズに驚いて

自分の心も比例してほんの少しだけ大きくなる。

 

秋の海、相撲取りみたいだけど

穏やかに陽射しを反射して光る秋の海は

何でも知っていそうな、賢者のようで。

 

世界は広い。

自分の人生も。

 

 

 

 

 

 

ほっとしたい

もともとひとりなのにひとりになりたくて

時間を作って、場所を探す。

ひとりはさみしかったり、

誰かと共感する悦びを得られなかったり、

甘えたりはできないけど、

自分だけに意識を向けていい。

 

わたしが気を抜いた瞬間に、

わたしの配慮がたりない行為や言葉が

誰かを傷つけていないかとか

気にしなくていい。

 

ひとりでいれば

誰も傷つけることはない。

だからひとりがほっとするのかな。

 

誰かと一緒にほっとできれば

生きてる実感何万倍にもなりそう。

わたしには無理かもだけど。

 

 

肉子ちゃん

急にとても会いたくなった人がいて。

仏様みたいな。

人に対する愛情が底抜けの。

優しいと特筆するのも蛇足な位あたりまえに優しくて。

すごく不細工で太っていてだらしなくて。

純粋で真っ直ぐで心がきれいで。

人を疑ったり嫌ったり恨んだりしない人。

めちゃくちゃ人間らしい人。

 

恥や世間体や意味のないプライドと無縁の人に、

生身の自分を一ミリも隠さずありのままに生きている、

現実には存在していない人に会いたくなった。

 

漁港の肉子ちゃん。

ストーリーはうろ覚えだったけど

この本を読んだ時の自分の心情だけ覚えていた。

ほっとして、嬉しくなって、温かくなって

人を愛したいと思った気持ち。

 

本を読んでいる時間、

ずっと肉子ちゃんの愛情にふれることができます。

西加奈子さんのおかげです。

 

 

 

 

 

 

 

自問自答

親しかった人の顔を思い浮かべる。

会おうと思えば会える人も、

もう二度と会うことが出来ない人のことも。

わたしの悩みを話し出す前に彼ら彼女らから

次々とセリフが飛んでくる。

 

なにをぐちぐち悩んでるの、

逃げてるだけやん。

やりたい様にやったらいいよ。

全部あんたの思う通りにはいかへんで。

元気でいればそれだけでいいよ。

 

きっとあの子はこう言うかな。

あいつは笑いながら呆れて言う筈。 

 

会いに行ける人には会いに行って

答え合わせをしないと。

 

会えない人はいつも優しくて

わたしをまるごと包んでくれる。

たまに怒られるけど。

 

人に会って自分の存在が実感出来る。

その人から見えるいろんなわたしが

わたしに反射される。

 

自分がわからなくなった時

自分を知る人に会いに行きたくなります。

各駅停車でくつろいで

各駅停車に乗るとホッとする。

心なしか皆んながくつろいでみえる。

皆んなの呼吸が同じ。気がする。

 

一日の仕事が終わり疲れ果てて

急ぐ列車に乗る気力も残ってなくて、

なにも考えず空いた電車に揺られて帰路に着く。

 

スマホを見たり本を読んだり友人としゃべったり。

他人が大勢いる中なのに

皆がそれぞれ自宅のソファに座っているかの様。

 

座って揺られる以外のする事は限られていて

それってお湯につかる以外する事はない

温泉に似ている。

 

ひと息つける公共の場。

急がない、なにもしない事が

気持ちを楽にさせる。

わたしをもうひとつ

他人の気がわかってしまう。

どんな風に今思ったのか、

あの人は何が気に入らなかったのか、

この人はあの人を好きなんだなとか、

わたしのことをどう思っているのかとか。

 

もちろん、霊も見えないし透視もできない。

わたしの勘違い、勝手な思い込みかもしれない。

でもわかる。

 

人の数だけその気はあって、

自分に集中しないとその配信をエンドレスに

ラジオの様に聞き続けることになる。

いい音も悲しい音も不快な音も聞こえて来る。

 

わたしの配信も流れてしまっているのか

突然ですが不安になった。

ホントはやさしい所もあるんだけど、

ホントは不安で弱音を吐きたいんだけど。

いや、流れてない。

妨害電波を出している。

わたしの配信は聞こえてない。はず。

聞こえてないことを祈りたい。

 

毎朝見かける小学生の登下校。

グループで歩く少女達の中にひとり、

少し離れてうつむきながら後ろを歩く女の子。

前を歩く少女達は笑い声を上げて楽しそう。

わたしは毎朝その子を抱きしめたい気持ちに

駆られている。 

 

もうひとりわたしがいたらいいのにな。

誰よりも自分のことを分かっているわたしが。

何に傷つき何が悦びで何を求めているのか。

わたしが側にいてくれたらどんなに心強いだろう。

寂しさも悲しさも全て糧にして

歩いて行ける気がする。

 

毎朝見るあの子にも、

もうひとりあの子が居たらいいのにな。

わたしからのわたしがついてるよ!の配信、

届いていて欲しい。